○南但消防本部風水害対応計画
平成25年4月1日
消防本部訓令第40号
1 目的
この訓令は、南但消防本部警防規程(平成25年消防本部訓令第27号)第33条に基づき、南但消防本部の水防活動の初動対応要領について定める。
2 非常配備態勢
区分 | 発令等 | 基準 | 招集体制 | 活動骨子 |
態勢 | ・大雨・洪水・強風注意報 | 前線、台風等の接近により第1号非常配備態勢が予想される場合 | 招集なし 当務員・日勤で対応 | 川の防災情報等で情報収集 |
第1号 非常配備態勢 | ・大雨・洪水警報が一つ以上発令され、消防長が必要と認めた場合。 ・水防指令 第1号が発令されたとき | 今後の気象情報・水位に注意、警戒が必要なとき | 1 当務員、日勤者で情報収集 2 必要に応じ課長職以上招集 3 職員自宅待機 | 1 通信勤務員3名体制 2 組織編成 3 水防資器材準備 4 庁舎被害防御 5 管内状況調査 |
第2号 非常配備態勢 | ・大雨・洪水・暴風警報 (消防長が必要と認めた場合) ・水防指令 第2号が発令されたとき | 約6時間以降に水防活動が考えられるとき 暴風により重大な災害が予想されるとき | 1 1号非常招集 2 各署所の配置人員及び各部隊の編成は災害の態様によりその都度別に定める。 | 1 消防本部風水害対策本部を設置 2 市災害対策本部に各1名派遣 3 通信勤務員4名体制 4 部隊編成 5 被害調査隊出動 |
第3号 非常配備態勢 | ・大雨・洪水・暴風警報 (消防長が必要と認めた場合) ・水防指令 第3号が発令されたとき | 約3時間以降に水防活動が考えられるとき 暴風による被害が人家等に多発したとき | 1 2号3号非常招集 2 風水害対策本部及び各署所の配置人員並びに各部隊の編成の詳細は、災害の態様により別に定める。 | 1 消防本部風水害対策本部を設置 2 市災害対策本部に各1名派遣 3 通信勤務員7名体制 4 部隊編成 5 災害対応 |
3 組織計画
消防本部風水害対策本部の組織編成及び事務分掌は次のとおりとする。
(1) 消防本部風水害対策本部組織
(2) 事務分掌
風水害対策本部 | ○各署所への統括指揮 ○管内情報の収集・整理 ○管内情報の分析 ○各署所への情報伝達・指示 ○応援要請の決定 |
朝来消防署 養父消防署 | ○市災害対策本部へ各1名派遣 ○部隊編成 ○機械器具、資器材の整備 ○消防活動 ○巡回・広報活動 |
通信指令室 | ○災害受信・指令 ○無線運用・指示伝達 ○情報収集・伝達 ○出動隊への支援情報 ○消防応援要請 |
4 消防活動計画
暴風雨による水害発生時における消防活動の基本計画について定める。
(1) 人命被害に対する救急・救助活動を最優先に活動する。
(2) 河川の氾濫、堤防の決壊、地すべり、山崩れ等の災害を覚知した場合は、市災害対策本部と連携・調整を図りながら、次の事項を基本として消防活動にあたる。
ア 119番通報等により災害の発生を覚知した場合は、市災害対策本部に情報提供するとともに協議を行い、活動を開始する。
イ 災害現場への出動及び現場での活動は次のことを基本とする。
(ア) 人的被害のない水防活動等は、消防団に委ねる。
(イ) 人的被害の有無が確認できない場合は、広報車隊(2名)又は指揮車隊(2名)を出動させ、被害調査にあたる。
ウ 災害現場での消防活動(救急・救助)は次による。
(ア) 救急救助出動は、原則2隊運用とし、出動車両は、救助工作車隊・タンク車隊・化学車隊、ポンプ車隊、はしご車隊の1隊及び救急隊1隊する。
(イ) 多数の負傷者が発生した場合の救急救助活動は、「集団救急事故発生時の救急救助計画(平成25年南但消防本部訓令第44号)」に基づき活動する。
(ウ) 大規模な災害が発生し、消防本部等の消防力で対応できないときは、震災消防計画の「応援要請計画」を準用する。
5 施行期日
この訓令は、平成25年4月1日から施行する。
■避難勧告・指示等の区分
避難勧告・指示等の区分は、次のとおりです。
避難準備情報及び避難勧告・指示の区分
区分 | 内容 | 発令時の状況 | 住民に求める行動 |
避難準備情報 | 避難の準備、あるいは災害時要援護者が避難を開始するために発表するもの | 災害時要援護者等、特に避難行動に時間を要する者が避難行動を開始しなければならない段階であり、災害の発生する可能性が高まった状況 | ・災害時要援護者等、特に避難行動に時間を要する者は、指定された避難所への避難行動を開始(避難支援者は支援行動を開始) ・上記以外の者は、家族との連絡、非常持出品の用意等、避難準備を開始 |
避難勧告 | 対象地域の住民等に対し避難を拘束するものではないが、住民がその勧告を尊重することを期待して、避難のための立ち退きを勧め、又は促すもの | 通常の避難行動ができる者が避難行動を開始しなければならない段階であり、災害の発生する可能性が明らかに高まった状況 | 通常の避難行動ができる者は、指定された避難所への避難行動開始 |
避難指示 | 被害の危険が目前に切迫している場合等に発し、勧告よりも拘束力が強く、住民等を避難のために立ち退かせるもの | ・前兆現象の発生や、現在の切迫した状況から、災害が発生する危険性が非常に高いと判断された状況 ・堤防の隣接地等、地域の特性等から人的被害の発生する危険性が非常に高いと判断された状況 ・人的被害の発生した状況 | ・避難勧告等の発令後で避難中の住民は、直ちに避難行動を完了 ・未だ避難していない対象住民は、直ちに避難行動に移るとともに、そのいとまがない場合は生命を守る最低限の行動をとる。 |
■避難勧告・指示等の基準
避難勧告・指示等は、次の状況が認められるときを基準として実施します。
□ 火災等の災害拡大により、住民の生命に危険が認められるとき。 □ がけ崩れ等の地変が発生し、又は発生するおそれがあり、付近住民に生命の危険が認められるとき。 □ 洪水、土砂災害に関し、別に定める数値基準等(下表)に達し、河川管理者等からの情報(水位上昇速度、雨量状況等)を考慮して必要と認められるとき □ 有毒ガス等の危険物質が流出拡散し、又はそのおそれがあり、住民の生命に危険が認められるとき。 □ その他災害の状況により、本部長(市長)が必要と認めるとき。 |
大雨・洪水、地震時には、本部長(市長)は河川管理者(県土木事務所)等との連携を密にし、避難勧告・指示等の発令について助言を求めます。
■避難の種類及び発令基準(洪水)
洪水による大きな被害が想定される浸水想定区域(水防法第14条)については、特別警戒水位(水防法第13条)等を指標として判断します。なお、判断に当たっては、上流域の状況、気象台や河川管理者の助言、現場の巡視報告、通報等を参考に総合的かつ迅速に行います。
種類 | 水位情報周知河川 | 左記以外の中小河川、又は内水時 | |
対象河川 | 円山川 | 左記以外のリアルタイムの水位観測ができない中小河川、又は水路等 | |
避難準備情報 | ・基準観測点の水位が警戒水位を超え、特別警戒水位に達すると予測されるとき。 | ・近隣での浸水や、河川の増水、当該地域の降雨状況や降雨予測等により浸水の危険が高いとき。 | |
観測点 | 警戒水位(m) | ||
《円山川》多々良木 | (県) 2.00 | ||
《円山川》玉置 | (県) 3.10 | ||
避難勧告 | ・基準観測点の水位が特別警戒水位に達したとき。 | ・近隣で浸水が拡大 | |
観測点 | 特別警戒水位(m) | ||
《円山川》多々良木 | (県) 3.00 | ||
《円山川》玉置 | (県) 3.40 | ||
・河川管理施設の異常(漏水等)を確認したとき。 | |||
避難指示 | ・ 危険水位(相当水位)に到達したとき。 | ・近隣で浸水が床上に及んでいるとき。 | |
観測点 | 危険水位(m) | ||
《円山川》多々良木 | (県) 3.80 | ||
《円山川》玉置 | (県) 4.20 | ||
・河川管理施設の決壊、大規模異常(亀裂、大きな漏水等)、越水を確認したとき。 |
■水位と避難行動のめやす(洪水)
■避難の種類及び発令基準(土砂災害)
土砂災害危険箇所・土砂災害警戒区域については、県の土砂災害情報提供システムの土砂災害警戒情報を指標として判断します。また、判断にあたっては、気象台や県土木事務所の助言、現場の巡視報告、通報等を参考に総合的かつ迅速に行います。なお、土砂災害情報提供システムが構築されるまでの間は、以下の表のとおり、現地情報による基準、及びレーダ雨量、テレメータ雨量等を指標として、消防庁の基準により各土砂災害危険箇所の判断を行います。
種類 | 現地情報による基準 | 土砂災害警戒基準雨量(消防庁) | ||
区分 | ― | 前日までの連続雨量が100mm以上あった場合 | 前日までの連続雨量が40~100mmの場合 | 前日までの降雨がない場合 |
避難準備情報 | ・近隣で前兆現象(湧き水・地下水が濁り始めた、水量の変化等)が発見されたとき。 | 当日の日雨量が50mmを超えたとき。 | 当日の日雨量が80mmを超えたとき。 | 当日の日雨量が100mmを超えたとき。 |
避難勧告 | ・近隣で前兆現象(渓流付近で斜面崩壊、斜面のはらみ、擁壁・道路等にクラック発生等)が発見されたとき。 | 当日の日雨量が50mmを超え、時間雨量が30mm程度の強雨が降り始めたとき。 | 当日の日雨量が80mmを超え、時間雨量が30mm程度の強雨が降り始めたとき。 | 当日の日雨量が100mmを超え、時間雨量が30mm程度の強雨が降り始めたとき。 |
避難指示 | ・近隣で土砂災害が発生したとき ・近隣で土砂移動現象、前兆現象(山鳴り、流木の流出、斜面の亀裂等)が発見されたとき。 | 同上 | 同上 | 同上 |