○南但消防本部査察規程

平成25年4月1日

消防本部訓令第18号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 査察

第1節 通則(第3条―第6条)

第2節 査察執行(第7条―第13条)

第3節 査察結果の処理(第14条―第18条)

第3章 物件の措置等(第19条―第24条)

第4章 資料提出及び報告徴収等(第25条―第30条)

第5章 雑則(第31条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この訓令は、別に定めのあるものを除くほか、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)及び南但広域行政事務組合火災予防条例(平成25年南但広域行政事務組合条例第24号)の規定に基づく査察に関する事務処理(違反処理を除く。)について必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 政令 消防法施行令(昭和36年政令第37号)をいう。

(2) 規則 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)をいう。

(3) 危政令 危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)をいう。

(4) 査察 次に掲げる行為をいう。

 法第4条に基づいて消防対象物に立ち入り、位置、構造、設備及び管理の状況について、検査及び質問を行い、火災予防上の不備欠陥事項等の是正及び適切な指導を行うこと。

 法第16条の5に基づいて、危政令別表第3で規定する数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱っていると認められる全ての場所に立ち入り、位置、構造又は設備及び危険物の貯蔵又は取扱いについて、検査及び質問を行い、火災予防上の不備欠陥事項等の是正及び適切な指導を行うこと。

 県からの移譲に関する事務処理要綱(平成25年南但消防本部訓令第25号)に基づいて立入検査を行うこと。

(5) 高圧ガス施設等 次に掲げる施設をいう。

 高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)第5条、第16条及び第20条の4の規定に基づき、許可を受けた施設及び同法第24条の2の規定に基づき、届出を必要とする施設

 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和42年法律第149号)第3条第1項の規定に基づき、登録を必要とする液化石油ガス販売所

 法第9条の3の規定に基づき、届出を必要とする圧縮ガス施設及び液化ガス施設

(6) 危険物施設 査察対象物のうち製造所等、少量危険物取扱所、指定可燃物取扱所及び高圧ガス施設等をいう。

(7) 査察職員 消防長から査察を命令された職員をいい、次のように区分する。

 消防本部にあっては、予防課長が指定した職員

 消防署にあっては、消防署長が指定した職員

第2章 査察

第1節 通則

(査察の執行者)

第3条 消防長又は消防署長は、管轄区域内の消防対象物の査察を積極的に実施するものとする。

2 消防長又は消防署長は、火災予防上必要があると認めるときは、査察対象物及び地域を指定して査察の実施を指示し、又は自ら査察を行うことができる。

(査察職員の心得)

第4条 査察職員は、査察を通じ、査察対象物の関係者が防火管理についての適正な理解と認識を深め、自主的に不備欠陥事項の是正等を図るよう指導するものとする。

2 査察職員は、関係法令に精通するとともに防火管理を含めた火災の実態等を研究し、査察能力の向上に努め、適正な査察業務の推進を図り査察行政に対する信頼を高めるよう努めるものとする。

(防火対象物台帳等の作成)

第5条 法第8条又は法第17条に該当する防火対象物(政令別表第1(20)項の防火対象物を除く。)については防火対象物台帳を、法第11条の規定による設置の許可(移動タンク貯蔵所の位置の変更を許可したときを含む。)をした製造所等については危険物台帳を作成し、保管するものとする。

2 前項の防火対象物台帳は別表第1に、危険物台帳は南但消防本部消防危険物事務処理規程(平成25年南但消防本部訓令第21号)に規定するところにより作成するものとする。

3 査察を行ったとき、又は届出の受理若しくは変更許可等を行ったときは、第1項に規定する台帳を速やかに修正し、査察関係業務のほか、消防活動等に活用できるよう配慮するものとする。

(他の行政庁との連絡調整)

第6条 査察業務を推進するに当たっては、関係行政機関と十分に連絡調整を図るよう努めるものとする。

第2節 査察執行

(査察対象物の区分)

第7条 査察対象物を別表第2のとおり区分する。

(査察の種別)

第8条 査察を次のとおり区分する。

種別

内容

総合査察

消防対象物の位置、構造、設備及び管理の状況等全般について行う査察をいう。

特定査察

消防対象物の位置、構造、設備及び管理の状況等のうち、特定事項について行う査察をいう。

警防査察

警防上、必要な事項について行う査察をいう。

(査察執行基準)

第9条 次の表に定めるところにより総合査察又は特定査察を実施するものとする。ただし、複数以上の査察対象物を有する事業所については、上位の区分による。


区分

査察回数

防火対象物

第1種査察対象物

1年に1回以上

第2種査察対象物

3年に1回以上

第3種査察対象物

5年に1回以上

第4種査察対象物

周囲の状況、構造、規模、用途等から総合的に判断し、実施する。

第5種査察対象物

製造所等

第1種査察対象物

1年に1回以上

第2種査察対象物

2年に1回以上

第3種査察対象物

第4種査察対象物

周囲の状況、構造、規模、用途等から総合的に判断し、実施する。

(査察計画)

第10条 予防課長は、消防長が示す業務推進目標等に基づき、管内情勢に応じた年度査察計画を樹立し、年度開始に先駆けて消防長に報告しなければならない。

2 前項に規定する年度査察計画を効果的に推進するために、毎月具体的な査察計画を樹立しなければならない。ただし、緊急に必要が生じたものにあっては、その都度査察計画を樹立するものとする。

(査察計画事項)

第11条 前条に規定する査察計画は、次の各号の全部又は一部について樹立するものとする。

(1) 査察期間又は査察期日

(2) 査察対象物の区分及び名称

(3) 査察対象物数

(4) 査察重点事項

(5) 査察に必要な人員、機材その他必要と認める事項

(査察執行上の留意事項)

第12条 査察職員が査察を行うときは、法第4条又は法第16条の5の規定によるほか、次に掲げる事項に留意するものとする。

(1) 関係者の立会いを求めること。

(2) 関係者等が正当な理由なく査察を拒み、妨げ、又は忌避した場合は、査察の要旨を十分説明し、なお応じないときは、忌避等の理由を確認し、上司にその旨を報告し、指示を受けること。ただし、火災の発生のおそれが著しく大であるため、特に緊急の必要がある場合は、現場で上司の指示を受けること。

(3) 立入場所の環境及び状況に十分注意を払い、事故防止に努めること。

(4) 査察対象物に設置されている消防用設備等の操作については、関係者等に行わせるほか、誤操作による機器の損傷及び人に対する危害等の事故防止に努めること。

(5) 個人の自由及び権利の不当な侵害又は民事的紛争に関与しないこと。

(査察執行要領)

第13条 査察は、前条の規定によるほか、次に定める要領により行うものとする。

(1) 前回の査察で指摘した不備欠陥事項等の是正状況、消防対象物の変更等の状況及びその他消防上必要な事項について確認すること。

(2) 法令違反及びその他の不備欠陥事項の是正については、建築確認通知書、危険物施設の許可書類及び届出書類、消防計画、予防規程、防火対象物使用開始届出書、火を使用する設備等の設置届出書、その他関係図書の提示を求め、法令の根拠に基づいて当該内容を具体的に指摘し、かつ、十分な指導を行うこと。

第3節 査察結果の処理

(査察結果通告書の交付)

第14条 査察職員は、査察対象物(次条に掲げるものを除く。)の査察を行ったときは、その結果を次に定める通告書により関係者に交付するものとする。

(1) 法第4条に基づく査察にあっては、査察結果通告書(様式第4号(下))

(2) 法第16条の5に基づく査察にあっては、査察結果通告書(様式第5号(下))

2 前項の通告書による指示事項等については、期限を定め次に定める改修結果(計画)報告書により報告を求めるものとする。

(1) 法第4条に基づく査察にあっては、改修結果(計画)報告書(様式第6号)

(2) 法第16条の5に基づく査察にあっては、危険物施設改修結果・改修計画報告書(様式第7号)

3 査察結果通告書の作成にあっては、不備欠陥又は指導事項等を具体的に記載し、関係者がその内容を容易に理解できるよう配慮するものとする。

4 第2項の期限を定めるにあたっては、不備欠陥事項等の改修等の是正措置を講じるために必要な日数が確保できるよう配慮して定めなければならない。

(街頭検査の通知書)

第15条 査察職員は、法第16条の5第2項の規定に基づく走行中の移動タンク貯蔵所又は法第4条の規定に基づく危険物運搬車両(以下「移動タンク貯蔵所等」という。)に対する査察を行った結果、不備欠陥があったときは、立入検査結果通知書(様式第8号又は様式第9号)により関係者に通知するものとする。

2 前項の場合において、常置場所が管轄区域外である移動タンク貯蔵所等のうち、法令違反が認められるものについては、立入検査結果通知書(様式第8号又は様式第9号)の写しを添えて、移動タンク貯蔵所等の常置場所を管轄する市町村長等へ通知するものとする。

(査察結果報告)

第16条 査察職員は、査察を終了したときはその結果を査察結果報告書(様式第4号又は様式第5号)の又は立入検査結果通知書(様式第8号又は様式第9号)により、消防長又は消防署長に報告するものとする。

2 前項の査察結果の内容は、第5条に規定する台帳に編冊し、保管するものとする。

(査察結果の整理)

第17条 査察職員は、査察結果通告書を交付したときは、文書収発等記録台帳(様式第3号)に記載するものとする。

2 予防課長は、前項により整理した査察の結果及び改修結果について、翌月15日までに消防長に月例報告するものとする。

(不備欠陥事項等の是正等)

第18条 査察職員は、査察により通知した不備欠陥事項について関係者に対し速やかに是正措置を講じるよう是正指導に努め、必要に応じて南但消防本部防火対象物の消防用設備等の状況の公表に関する要綱(平成31年南但消防本部訓令第1号。以下「公表要綱」という。)及び南但消防本部違反処理規程(平成25年消防本部訓令第20号。以下「違反処理規程」という。)に基づき所定の措置を講ずるものとする。

第3章 物件の措置等

(危険等の排除)

第19条 法第3条第1項及び法第5条の3第1項の規定に基づき必要な措置をとるべきことを命じたときは、屋外の火災予防措置報告書(様式第10号)により消防長又は消防署長に報告するものとする。

(物件の除去、保管及び公示等)

第20条 法第3条第2項又は法第5条の3第2項の規定に基づき物件を除去したときは、営業用倉庫その他保管に適する場所に保管するものとする。

2 前項の規定による物件の除去及び保管について、費用の支出を要するときは、南但広域行政事務組合財務規則(平成25南但広域行政事務組合規則第17号。以下「財務規則」という。)に規定する事務手続により処理するものとする。

3 消防長又は消防署長は、物件の保管に当たっては、次に掲げる事項について、必要な措置を講ずるものとする。

(1) 物件の滅失及び毀損の防止

(2) 盗難防止

(3) 火災等の発生防止

4 第1項の規定に基づき物件を保管したときは、次に定める措置をとるものとする。

(1) 保管物件について(公示)(様式第11号)を消防署及び出張所に掲示する。

(2) 保管物件一覧簿(様式第12号)に必要事項を記載し、随時関係者が閲覧できるようにする。

5 前項の公示によっても、なお、当該物件の所有者、管理者又は占有者で権原を有するもの(以下「所有者等」という。)の氏名及び住所が判明しないときは、その公示の要旨を南但広域行政事務組合広報に掲載するものとする。

(保管物件の売却)

第21条 保管物件を売却する必要があると認める場合は、財務規則に規定する手続により処理するものとする。

(保管物件の返還等)

第22条 保管物件の所有者等であることを主張する者から、当該物件の返還を求められた場合又は所有権を放棄する旨の申出があった場合は、当該物件の所有者等であることを証するに足りる書類等の提示を求め、権利の存在を確認し、次に定める書類と引替えに処理するものとする。

(1) 返還を求められた場合で、当該物件が保管されているとき 保管物件返還請求書(様式第13号)及び保管物件受領書(様式第14号)

(2) 返還を求められた場合で、当該物件が売却されているとき 売却代金返還請求書及び領収書(様式第15号)

(3) 所有権を放棄する旨の申出があったとき 所有権放棄書(様式第16号)

(保管費等の徴収)

第23条 前条により保管物件を処理した場合は、当該物件の所有者に対し、その除去及び保管に要した費用を保管費等納付命令書(様式第17号)により徴収するものとする。

(所有権を放棄した物件及び法定期間経過後の物件の処分)

第24条 第22条第3号により放棄された物件又は災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第64条第6項に規定する法定期間を経過した物件については、財務規則に規定する手続により処分するものとする。

第4章 資料提出及び報告徴収等

(資料の任意提出)

第25条 査察職員は、火災予防のため必要と認められる資料(消防対象物の実態を把握するために必要な既存の文書その他の物件をいう。以下同じ。)について、関係者等に対し、任意の提出を求めることができるものとする。

(資料の提出命令)

第26条 前条の規定による任意の提出がされない場合で、資料の提出を命ずるときは、次によるものとする。

(1) 法第4条に基づく命令については、資料提出命令書(様式第18号)

(2) 法第16条の5に基づく命令については、資料提出命令書(様式第19号)

(資料の受領及び保管)

第27条 前条に規定により資料を受領するときは、資料提出書(様式第20号)により所有権放棄の有無を確かめておくとともに、提出資料処理経過簿(様式第21号)に必要事項を記載して、その経過を明らかにし、紛失又は毀損のないよう保管するものとする。ただし、軽易な資料については、この限りでない。

2 前条に規定する資料について、提出者が所有権を放棄した場合で、提出者から受領書の交付を求められたときは、提出資料受領書(様式第22号)を交付するものとする。

3 第1項に規定する資料について提出者が所有権を放棄しない場合は、提出者に提出資料保管書(様式第23号)を交付するものとする。

4 前項の規定により提出資料保管書を交付した資料で保管の必要がなくなったときは、提出資料保管書と引替えに提出者にこれを返還するものとする。

5 前項の規定により資料を返還したときは、提出者から返還資料受領書(様式第24号)を徴しておくものとする。

(任意の報告)

第28条 査察職員は、資料以外のもので火災予防上必要と認められる事項については、関係者に対し、任意の報告を求めることができるものとする。

(報告の徴収)

第29条 前条による任意の報告がされない場合で、報告を命ずる場合は、次によるものとする。

(1) 法第4条に基づく報告については、報告徴収書(様式第25号)

(2) 法第16条の5に基づく報告については、報告徴収書(様式第26号)

(危険物の収去)

第30条 法第16条の5第1項の規定に基づき、危険物若しくは危険物であることの疑いのあるものを収去しようとするときは、南但広域行政事務組合消防危険物規則(平成25年南但広域行政事務組合規則第31号)第27条の規定によるものとする。

第5章 雑則

(施行の細目)

第31条 この訓令の施行について必要な事項は、別に定める。

(施行期日)

1 この訓令は、平成25年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この訓令の施行の日の前日までに、養父市予防査察規程(平成22年養父市消防本部訓令第4号)又は朝来市査察規程(平成17年朝来市消防本部訓令第13号)の規定によりなされた手続その他の行為は、それぞれこの訓令の相当規定によりなされたものとみなす。

(平成31年4月1日消本訓令第1号)

(施行期日)

1 この要綱は、平成31年4月1日から施行する。

(令和4年3月31日消本訓令第1号)

この訓令は、令和4年3月31日から施行する。

別表第1(第5条関係)

防火対象物台帳関係

名称

内容

様式

防火対象物台帳

総括的な事項

様式第1号

防火対象物棟別表

棟別表

様式第2号

文書収発等記録台帳

文書収発等各種記録結果

様式第3号

別表第2(第7条関係)

査察対象物区分表

区分

内容

第1種査察対象物

1

法第8条の2の2第1項の規定に該当する防火対象物

2

製造所、給油取扱所(自家給を含む。)

第2種査察対象物

1

政令別表第1(1)項から(6)項まで((5)項ロを除く。)(9)項イ、(16)項イ及び(16の2)項の防火対象物で、固定消防用設備の設置を必要とするもの

2

第1種査察対象物第2項の査察対象物以外の製造所等

第3種査察対象物

1

政令別表第1(5)項ロ、(7)項、(8)項、(9)項ロ及び(10)項から(17)((16)項イ及び(16の2)項を除く。)までの防火対象物で、固定消防用設備の設置を必要とするもの

2

少量危険物取扱所、指定可燃物取扱所及び仮貯蔵(取扱)

第4種査察対象物

1

政令別表第1(1)項から(17)項までの防火対象物(第1種査察対象物及び第2種査察対象物を除く。)で消防用設備(政令第7条第4項第2号に定める誘導標識を除く。)の設置を必要とする防火対象物

2

その他

第5種査察対象物

1

その他

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南但消防本部査察規程

平成25年4月1日 消防本部訓令第18号

(令和4年3月31日施行)

体系情報
第9編 防/第2章 火災予防
沿革情報
平成25年4月1日 消防本部訓令第18号
平成31年4月1日 消防本部訓令第1号
令和4年3月31日 消防本部訓令第1号