この訓令は、南但消防本部警防規程(平成25年消防本部訓令第27号)第10条に基づき、南但消防本部管内に震度4以上の大規模地震が発生した場合及び県内並びに近隣府県等に大規模地震が発生した場合における南但消防本部の初動対応要領について定める。

2　南但消防本部非常配備体制

南但消防本部の管轄区域内(以下「管内」という。)で発生した大規模地震発生時の非常配備体制については、別表第1南但消防本部震災非常配備態勢のとおりとする。

3　組織計画

消防本部震災対策本部の組織編成及び事務分掌は次のとおりとする。

(1)　消防本部震災対策本部組織

(2)　事務分掌

4　初動体制

(1)　初動措置要領

ア　地震計表示装置により、消防本部の震度を確認するとともに、フェニックス防災システムにより各地の震度情報及び被害予想を収集する。

イ　指令台、無線、有線、衛星通信施設等の被害状況を確認する。

ウ　庁舎の被害状況の確認及び消防車両を屋外に移動する。

エ　消防・救急・救助資器材の増強・増載する。

オ　被害調査隊を出動させ、被害調査にあたる。

カ　参集者から消防署周辺、幹線道路、橋梁等の被害状況を確認し出動路を確保する。

キ　食料、飲料水、燃料等を確保する。

ク　庁舎の出火防止及び初期消火を実施する。

ケ　震度5弱以上の地震時に朝来市・養父市災害対策本部に各1名派遣し、情報収集をする。

(2)　参集要領

勤務時間外の職員は、非常招集の連絡を受けたとき、又は南但消防本部管内に震度6弱以上の地震が発生したときは、直ちにあらゆる手段を活用して勤務署所に参集する。ただし、道路事象等により参集に長時間を要する場合は、最寄りの署所に参集も可とし、その旨を消防本部震災対策本部に報告する。

(3)　参集時の留意事項

ア　服装、携行品

服装は、消防活動ができる活動服、保安帽等を着用し、手袋、タオル、懐中電灯等活動するために必要な用具を携行すること。

イ　情報の報告

参集職員は、参集途上において知り得た情報を震災対策本部に報告すること。

5　情報収集計画

(1)　地震計表示装置により、消防本部の震度を確認するとともに、フェニックス防災システムにより各地の震度情報及び被害予想を収集する。

(2)　参集者及び被害調査隊から消防署周辺、幹線道路、橋梁等の被害状況を収集する。

(3)　朝来市及び養父市災害対策本部に派遣した職員から、情報を収集する。

(4)　収集項目

ア　各署所及び周辺各地の震度・被害予想

イ　庁舎の被害及び消防車両の出動可否

ウ　実動部隊の把握

エ　主要幹線、橋梁等の交通障害

オ　火災、救急、救助等の発生状況

カ　医療機関の収容状況

キ　JRの状況

(5)　情報通信網

ア　NTT電話等有線による通報システムやNTT電話、衛星通信による防災機関の通信機能が地震により途絶されることを予想し、携帯電話、消防無線等による複数の通信手段を確保する。

イ　災害優先電話の活用

(ア)　672―5390(指令台収容回線)

(イ)　670―2214(指令台ISDN回線)

(ウ)　672―5046(FAX回線)

(エ)　672―5904(緊急通報システム回線)

(オ)　662―0119(養父署回線)

(カ)　679―4119(生野出張所回線)

(キ)　669―0119(大屋出張所)

(ク)　090―8939―6875(朝来署救急車13)

(ケ)　090―3280―0776(生野出張所救急車5)

(コ)　080―1490―5482(養父署救急車10)

(サ)　080―2443―1812(大屋出張署救急車6)

ウ　非常電話、緊急電話の活用

(ア)　申込み電話番号　「102」

(イ)　非常・緊急扱い通話の申込み

(ウ)　登録名称は南但消防本部　電話番号は災害優先電話

(エ)　相手方の電話番号

(オ)　通話の概要

エ　近隣消防本部への連絡

管内の災害状況等を近隣消防本部へ連絡するとともに、近隣消防本部管内の災害状況等を収集する。

オ　関係機関への通報

6　消防活動計画

第3号非常配備態勢(震度6弱以上の地震)時による同時多発火災・救急・救助事案における消防活動の基本事項について定める。

なお、他の地域特に近隣消防本部への応援出動については、震災に対応できる当本部の消防力を確保したのち、可能であれば必要に応じ招集した職員の中から部隊を編成して出動させる。

(1)　部隊編成

ア　消防本部震災対策本部　統括指揮者、情報収集・整理・分析員、情報伝達・指示員

イ　通信指令室　総括責任者、災害受信・指令員、無線運用員、情報処理員

ウ　朝来消防署署長、市災害対策本部派遣員、電話対応員、情報処理員

(活動部隊)　指揮車、タンク車、救助工作車、ポンプ車、はしご車

救急車2台　広報車

エ　生野出張所(活動部隊)指揮車、タンク車、救急車

オ　養父消防署　署長、市災害対策本部派遣員、電話対応員、情報処理員

(活動部隊)指揮車、化学車、救助工作車、ポンプ車、救急車2台、広報車

カ　大屋出張所(活動部隊)指揮車、ポンプ車、救急車

(2)　火災防御活動

同時多発火災活動は、主として養父市・朝来市消防団が対応する。未着手現場がないよう分散対応し、1火災2隊出動を原則とする。消防本部は両消防署のタンク車隊、化学車隊、ポンプ車隊の6台で、1火災1隊出動し、6火災対応する。(発災直後の6火災は消防本部・消防団6隊対応)

(3)　救急活動

ア　救急活動は、人命の救護を最優先とし、傷病者のトリアージを行い、重症者を優先に処置・搬送する。

イ　救急現場は、両消防署で救急隊6隊(各4名)で1現場1隊が対応する。

ウ　消防団、自主防災組織への応急手当、搬送の協力依頼

エ　通信班は、傷病者受入可能医療機関を調査する。

(4)　救助活動

ア　救助活動は、人命救助を最優先に、救命処置を要する重傷者を優先する。

イ　救助活動の優先は、原則として火災現場付近の現場、多数救助できる現場、人命危険対象物の現場を優先する。

ウ　救助現場は、両消防署の救助工作車隊で1現場1隊が対応する。

エ　消防団、自主防災組織への救出の協力依頼

7　災害広報計画

養父市・朝来市災害対策本部と連携し、被害状況、救護活動等の広報を行い人心の安定を図る。

(1)　広報の実施者

原則広報は、養父市及び朝来市が実施する。

(2)　広報の方法

ア　CATV放送、防災行政無線よる広報

イ　報道機関による広報

ウ　朝来・養父消防署による広報

(3)　広報の内容

ア　地震、大火等に関する情報

イ　被害に関する情報

ウ　救護活動に関する情報

8　応援要請計画

当管内の消防力では対応できないときは、速やかに次により応援を求めるものとする。

(1)　隣接消防応援協定

(2)　兵庫県広域消防応援協定

(3)　緊急消防援助隊運用要綱

(4)　自衛隊災害派遣要請

9　調達計画

消防活動に必要な食料、燃料等の調達については次による。

10　管内以外で発生した地震の初動対応

管内以外の兵庫県内及び近隣府県等で発生した地震の初動対応要領については、別表第2県内及び近隣府県等地震発生時の初動対応要領のとおりとする。

11　施行期日

この訓令は、平成25年4月1日から施行する。

(注1)　緊援隊の編成等に関する計画とは、総務大臣通知「緊急消防援助隊の編成及び施設の整備等に係る基本的な事項に関する計画(平成16年消防震第9号)をいう。

・　第一次出動都道府県　京都府、大阪府、鳥取県、岡山県、徳島県

・　出動準備都道府県　福井県、愛知県、三重県、滋賀県、奈良県、和歌山県、島根県、広島県、山口県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

(注2)　緊援隊出動部隊とは、毎年度策定される緊急消防援助隊但馬隊派遣計画で決定された出動部隊をいう。

(注3)　緊援隊出動登録隊員とは、南但消防本部が毎年4月1日付で指定する職員をいう。